2012/01/31 投稿者:雲霧さん
『薔薇とサムライ -special edition-』DVD
おすすめレベル:★★★★★
最高のエンターテイメント
主演は、言わずと知れた古田新太、天海祐希の二大スター!!
脇を固める共演者も豪華、新感線メンバーも全開!!
というわけで見て面白くないわけがない。
歌にダンスにアクションに笑いにと盛りだくさん。
舞台の衣装や小道具の作りこみもすごい。
ゲキ×シネになるとさらによくわかる。
舞台を見た人も何度も楽しめる。
舞台だから当たり前にワンカット。
舞台というのを忘れてしまうカメラワーク。
アップになった女王陛下の凛とした美しさ、天海祐希様はどのカッコウでも美しく、かっこいい。しかし時折見せる悲しげな眼差しには感情があふれており引き込まれてしまう。
それに対する五右衛門、古田新太の演技もコミカルなところもあるが、かっこよさは全く失っていない。天海祐希演じる女王を助け、女王が選択したことを受け止める大きさと、男のやさしさを見事に演じている。
まさに侍!!
二人の熱演が昇華して最高のエンターテイメントになっていると言える。
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2012/01/31 投稿者:闇之丞さん
『阿修羅城の瞳2003』DVD
おすすめレベル:★★★★★
夜目にも白き柔肌に浮かびあがった紅のあざー魔性の作品に寄せて
”舞台を越えた美しさ”がそこにあった。
光と影の織り成す清冽な空間。その映像美は多様なアングルと閃光放つ照明に生身の肉体の躍動感が相まって観る者を魅了する。
舞台でもなく、映画とも違う。しかしその迫真に圧倒され、完成度に感服する。
面差しに手繰られる因縁の糸
恋がわが身を鬼に変えるーその肩に宿業を背負いその瞳に永劫の孤独を映す女、つばき。鏡に写るそのあざは紛れもない自分自身。その苦悩と哀しみは激しさと強さ、恐れと弱さを生む。
鬼の如く殺戮者と化した人間、出門。人の気を男の精をうけ鬼の王へと転生したつばき。鬼とは何か。本当に恐ろしいのは人の業ではないのか。
その宿業ゆえ怖れをいだくつばきが出門のまことに触れ、許した肌の先にみたもの。宿命のえにしに結ばれた出門への尽きぬ恨み。呪わしき己がさだめ。だが自分を討ちにくる出門を迎える阿修羅の白無垢の姿におのれでも気付かぬ女心が切ない。言葉では思いの丈を告げながらやいばを交え命を賭ける二人の逢瀬。死ぬも地獄、生くるも地獄。なら生きるか。だが生き残った者の哀しみは尽きない。これ程までに狂おしくも激しい恋情があるだろうか。
色と艶の対決
”阿修羅に見込まれたとあっちゃあ俺の色気も本物だ”言わずもがな。光り流れる汗、肌に張り付く乱れ髪。男の色気、極まれりである。翳りと茶目っ気、一途とハッタリ。男も惚れる男意気。邪空が男を断ってとおしたおもい。それは出門へのおもいではなかったか。
染五郎が男の色気なら天海祐希は女の艶気である。出門の傷を舐めその愛しさに頬をうずめる恋慕の表情。阿修羅と化し不敵な笑みを浮かべるもふっと見せるかすかな眼差し。出門との死闘にみせるうらはらの歓喜と恍惚。赤子を抱くつばきのはっとする美しさ。”女は嘘をついてる時がいちばん綺麗なんだよ”至言である。その眼の力には”背筋がぞくぞくすらぁ”と出門でなくとも言いたくなる。
近作「薔薇サム」が疑似”男”天海なら本作「阿修羅」は真正”女”天海である。
日本人の血
”瀬をはやみ岩にさかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ”崇徳院の句をテーマにするも”天の川浅瀬白波ふくる世を怨みて渡る逆しまの橋””夜目にも白き柔肌に浮かびあがった紅の痣””秘め事なんだよ、俺とやつとの”と、七五調の決め台詞、小気味いいテンポの江戸弁の粋。そのどれもピタっとはまって気持ちいい。放たれたセリフの数々が言霊となって異空間に呪縛する。
そして、桜の大木と散る花びら。日本の様式美にため息が漏れる。「天守物語」を彷彿とさせる幻と現し世の夢の狭間に陶酔する。
エンターティメント
オープニングタイトルから歌舞伎の見得、連獅子と派手な演出、計算されたスピィーディーな展開。映画と見まごうカット割り。花道の立体感と一体感の効果。
渡り巫女のシーンでは和風の音楽からチャールストン風に変転(天海のタップ風足さばきはさすが)和と洋の融合は見事。同時期興行中の歌舞伎座鼠小僧のパロディ(染五郎へのオマージュ?か。)歌舞伎というのが心憎い。
祓刀斎に至っては橋本じゅんの独壇場。キュートな髪型に異常なキャラは他の追随を許さない。桜姫高田聖子の的を得たアドリブも客席を沸かす。
力量ある役者達と熱意と才能溢れるスタッフの結集。
愛と憎しみ。哀しみと悦び。怨みと慈愛。光と闇。陰と陽。
人はいつも相反するものに魅かれる。
阿修羅と菩薩。人が併せ持つ二つの顔。母性は菩薩か。
観れば観るほど深みにはまる。
想像力をかきたてる濃密の1本。第1回ゲキ×シネの冠にたがわず。
憑かるるなかれ。
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2012/01/30 投稿者:girl-Aさん
『薔薇とサムライ』DVD
おすすめレベル:★★★★★
綺麗な薔薇には棘がある。
その棘は、触れたものに深く突き刺さる…。
海の上を彷徨いながら生きてきたアンヌ。
祖国・日本から遠く離れ、ヨーロッパで生きる五右衛門。
日本とスペイン、アイデンティティの確立に揺らぐデスペラード。
操り人形に自分を重ね、本当の自分を模索するポニー。
これは、「自分の居場所」を探す人たちの物語なのだろう。
そして、彼らはそれぞれの戦いに身を投じる。
国を守るために闘う女。
女を守るために闘う男。
何かを守るために闘う人は、美しい。
そう、気高く咲き誇る薔薇のように。
そして最後には、自分の生きるべき道を見つけ出す。
『薔薇とサムライ』は、暗い社会を生きる現代人に
「闘う勇気」を与えてくれるエンターテインメントである。
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2012/01/30 投稿者:兎一さん
『ビューティフル・サンデイ』DVD
おすすめレベル:★★★★
すてきな3人組
人間って、なんて哀しくてやさしいんだろう。
私にとっての「ビューティフル・サンデイ」は、つらいことがあったり落ち込んだりしたときに観たくなるお芝居だ。
秋彦・浩樹・ちひろの3人はそれぞれ悩みを抱えながらも相手を思いやるやさしさからウソをつく。
男同士だろうが不倫だろうが、人を好きになるっていう気持ちはステキなことだと気付かされ、切なくなる。
この3人の未来が幸せなものとなるよう、願わずにはいられない。
観終わった後やさしい気持ちにさせてくれる作品で、今日よりちょっぴりシアワセな明日がやってきそうな気がする。
(個人的にはグジグジ悩んでいる時に、秋彦に「悩みに大きいも小さいもないんだよ」となぐさめられ、ヒロに「世界一いい女なんだから自身持てよ」とはげまされたい)
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2012/01/30 投稿者:ようすけさん
『五右衛門ロック』DVD
おすすめレベル:★★★★★
ビールを片手に
豪華キャストに鳴り響くロック、歌って踊って騒ぎまくる。
まさにお祭り。新感線のRシリーズならではの盛り上がりです。
ストーリーはベタ。王道の中の王道と言った感じですが、
それをしっかりと魅せちゃうのが新感線のすごい所。
歌あり、笑いあり、ダンスあり、そして涙もとストーリーは展開していき、
カーテンコールではライブ並みの盛り上がり。
深く考えずに楽しめるので、ベタなストーリーが功を奏しています。
舞台を映像でみるとき、どうしても考えてしまうのは「生で見ていたらなあ…」ということ。
特に映像が収録された新宿コマは、その年に閉館が決まっており、
観客もより一層盛り上がります。
その熱気は十分に伝わってきますが、生の感動には勝てないでしょう。
しかし、DVDで見ている時だけの特権があります。
それは、お酒を飲みながら見ること!
映像の中の観客たちと一緒に、より一層盛り上がることができるのです。
夏の暑い夜に、冷たいビールを片手に見るのが最高の楽しみ方でしょう。
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