2012/11/07 投稿者:mooncalfさん
『蛮幽鬼 -special edition-』DVD
おすすめレベル:★★★★★
買って良かった!
決して安くはない値段の為、買おうかどうか悩みました。
舞台・ゲキシネとも見逃してしまっていたので見たい気持ちが勝ちました。
ストーリー自体はシリアスで切ないものですが、ちゃんと笑いあり、涙あり、歌あり、
心に響く仕上がりです。
上川さんは予想通りのパワフルで確かな演技でした。
声量もすごいです。
堺さんは狂気が垣間見えるような冷たい笑顔を終始浮かべているのですが、
暗殺者の空気をうまく醸しだしています。
稲森さんも、繊細さと気丈さを持った魅力的な女性を演じていました。
見た目はすごく華奢なのに、とても堂々とした所作でした。
もちろん、新感線のメンバーはいつも通りバッチリと脇を固めており、
しっかり個性を発揮しています。
私が最も心に残ったのは、早乙女さんです。
方白役では美しい舞と女形に魅了され、刀衣役では忠義と孤高の剣士としての凛とした佇まい、見事な殺陣をこなしています。
舞うような優雅さと、俊敏な力強さが際立つ殺陣でした。
アクションものが好きで、ストイックなキャラが好みの私としては、
この作品は本当に良かったです。
最後のシーンも、音楽と殺陣と効果音が絶妙のタイミングで心に染みました。
見ごたえはたっぷりです。
特典映像も、隠し要素を含めて楽しめましたので、
どうせ購入するなら特典付きをお勧めします。
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2012/10/27 投稿者:セブルスさん
『リチャード三世』DVD
おすすめレベル:★★★★★
ダークサイド…
『リチャード三世』…世に名高い悪人の物語…。
リチャード三世は自分が成り上がるために利用できるものは全て利用し、使えないものは容赦なく切り捨て、口八丁手八丁で相手を騙す…
恐るべき人物である。
そのリチャード三世を演じるのは古田新太…この人もまたいい意味で万人を騙す事ができる役者である。
古田新太の醸し出す何とも言えない雰囲気…見るものを惹きつける面妖な表情…ふっと相手の気を引く仕草…古田新太の持つ魅力を余るところなく発揮してリチャード三世が演じられている!
これまでに無い古田新太流のリチャード三世がそこに居る。何とも憎めない憎たらしい存在なのである!
この作品はいい意味で古田新太の魅力に包まれ過ぎている!しかし、裏を返せば古田新太に魅力を感じない人にはつまらない作品かもしれない…。
だが断言できる事が一つある…古田新太が好きであろうと嫌いであろうと、シェイクスピア作品が好きであろうと嫌いであろうと…この作品を観る事で人間の暗黒面を垣間見ることができる…そして、自分にもそんな一面があるのではないかと感じるはずである…。
百聞は一見に如かず!
古田新太流リチャード三世を観て感じてほしい…人間の暗黒面を…ダークサイドを…!
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2012/10/25 投稿者:きいちLOVEさん
『グッドナイト スリイプタイト』DVD
おすすめレベル:★★★★★
芸達者な役者2人に脱帽!
ドラマ「最後から二番目の恋」で中井貴一さんにどっぷりはまってしまったワタクシ。
貴一出演作で見逃しているのはないかと探していたときに出会った1本。
三谷幸喜さん作品も大好きなので、早速購入して観てみました!
これがビンゴ!
中井貴一さんと戸田恵子さんが夫婦。
子供はいない。
舞台には、ベットが二つ。
冒頭、別れのシーンからスタートする本作。
離れていたシングルベッドが、徐々に年代を遡っていくと、ベッドの距離が近づいて、
新婚当初はダブルベッドになっていく。
二人の出逢いから別れに至るまでのココロの距離をベッドで表現するのがステキでした。
また、この夫婦がどう出会って、結婚して、冷めて、乗り越えて、そして別れに至ったのか。
なぜ子供がいないのか。二人の歴史が、限られた俳優と限られた空間で綴られることの
贅沢さを感じられた二時間でした。
テンポのいい、リアルなセリフも三谷さんならでは!
相手の言葉に対する男なり、女なりの受け取り方の相違など、
「わかるー!」と共感できる会話多数!
どんな人でも楽しんでもらえる作品じゃないかな、と思います。
ちょっと哀しく切なく、でも可笑しい。
リアルな日常をドラマチックに描いた名作だと思います。
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2012/10/25 投稿者:ハリケーンハニーさん
『クレイジーハニー』DVD
おすすめレベル:★★★★★
本谷さんの最高傑作
本谷有希子さんのこれまでの作品の集大成のような作品。
成熟の域を迎えた最高傑作だと思う。
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2012/10/20 投稿者:せきららこさん
『花の紅天狗』DVD
おすすめレベル:★★★★★
奇跡のひとたち
心臓に爆弾を抱えた「月影先生」が率いる劇団と、そこにやってきた演技の天才少女が、幻の公演「紅天狗」の再演を目指す、というどこかで聞いたようなストーリー。
某演劇漫画のパロディを下敷きに、各種有名ミュージカルを彷彿させる音楽を取り入れた、とにかく楽しい4時間。
これは、「真 剣 な」コメディです。
主演の高橋由美子が、ちょっと毒を感じる可愛さと、素直で伸びのある歌声で観客を魅了すれば、ライバル役の森奈みはるは凛々しく可憐で、そんな二人で歌うテーマ曲が、これまた格好良く、可愛く、フレッシュで楽しい、とにかく!心の踊るいい曲なんです。
他の出演者たちも最高。テンション芝居をテンションだけで片付けない池田成志。骨法話法を操る川崎悦子の動きの美しさには目が釘付けになり、劇団員たちのアホさ加減は高め安定。
更に、月影を演じる木野花の圧倒的な存在感よ。この大物感で大仰に大真面目にアホな事をやってる、というバカバカしさ。歌も踊りも、決して上手くはないのに、存在自体に説得力がありすぎて、観客を魅了してしまう。
そういえば、下敷きになっている某漫画の中には、こんなシーンがあった。(漫画の)主人公が演じる劇中劇。サスペンス調のその芝居の中で、(漫画の)月影先生が「手」だけの出演を果たす。薄暗い舞台。舞台装置の窓枠からそっと伸びる白い手。「きゃあ!」と観客は思わず叫ぶ。ただ手を出すだけで、観客を恐怖に陥れてしまう(漫画版)月影先生の圧倒的な存在感を示したエピソードである。
この木野花なら、それが出来るだろう、と言う説得力があった。それは、パロディであるはずのこの芝居の中に、本物の(?)月影先生がいる、というおかしさであり、月影千草が実在する、という奇跡を目にする事でもあった。
しかも、DVDのパッケージは高橋留美子。これもまた、洒落が効いている。お部屋に飾っておくだけでも、ぜひ。お勧めです。
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