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新着レビュー一覧

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2011/07/11  投稿者:のび太さん

『遭難、』DVD

おすすめレベル:★★★★★

自分は絶対関わりたくない

自己正当化。人間誰でも陥る悪魔の囁き。だって、私は悪くない。
主人公・里見先生の壮絶な自己正当化の戦いは行き着くところ、不毛な荒野のようなトラウマの砂漠の中で
アリ地獄のようにもがき苦しむだけでしかない。それでも同僚を巻き込んで悪意の罠(はたから見ると間抜けなトラップだが)
に引きずり込もうとするその修羅のような姿・・・
不覚にも笑ってしまった。無茶だもの。いくら言葉を重ねても無理だよ。先に切れたものが勝ちってか?
それはこっちも社会人として許さないぞ。一見、社会(学校)の病巣に鋭く切り込む、と見せておいて実際は強烈無比な、
でも本当は脆弱なエゴイストの里見先生に徹底的に自己正当化、自己愛をぶちまけさせることで何を見せたかったんだろう。
本谷有希子は? いろいろと考えられるが、きっと答えはないのだろう。
不思議と、見終わった後に疲労感が残った。心地よい疲れだった・・・

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2011/07/11  投稿者:伊江島タッチューさん

『遭難、』DVD

おすすめレベル:★★★★★

現代版、罪と罰!

劇団、本谷有希子。
アンテナの鋭利な方なら、とうに知ってるみたいです。
ミーハー気分でススメられるがまま観てみました。

もう、カルチャーショック!
言わんとしたい趣旨が絶妙。
性格の悪い女のギリギリ感がユーモアたっぷりに進行し、シリアスだわ笑えるわ、たまらない!
シュチュエーションは非現実的でも、人が如何に孤独で依存が如何にエゴイスティックで惨め?
いや卑怯かが、よくよ~く描かれており、めちゃくちゃオモシロかった・・・。

これは、観終わった後の衝撃をお約束します!

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2011/07/11  投稿者:ヒロシさん

『遭難、』DVD

おすすめレベル:★★★★★

めんどくさいけどかわいい

正直言って、「なんだ、この女!?超マジすげーむかつく!!」と、思ったのが第一印象でした。
でも最後には、きっと、自分がこういう女とつきあったら、コロッとだまされて、かわいがっちゃうんだろうなぁと、
すっかり主人公の里美先生に夢中になってました。

里美先生は、女性の嫌な面を全部持っているような人(女性の皆さん、ごめんなさい!)なんだけど、
「自分が可愛くてしかたがない、自分が一番!」っていう自己中心的な女なんだけど、でも必死に生きてる姿に、
なんか惹かれちゃって…。

むしろ江國先生が苦手でした。いい人ぶってるだけみたいな。
酷い目にあっている自分に酔ってるみたいのが、酷い目にあっていることから必死で逃げようとしている里美先生に比べて、
狡猾な気がしてだめでした。その分、どんどん自分のために必死で嘘をつく里美先生が可愛く見えてくるんです。

でも、実際に付き合ったら、めんどくさいんだろうなぁとは思いますが…。

ここまで徹底して、女性の嫌な面を描いている作・演出が女性というのにも驚きました。
最初は確かに驚きました。けれどもDVDを何度か観ているうちに、やっぱり女性でないと書けない話だと納得しました。
だって、ほら、自分ら男性は、やっぱり女性には夢を持っていますから(笑)。

あと、トラウマって、便利な言葉のようで、危険な言葉なんだなと実感しました。
よく簡単に「それ、俺のトラウマなんだよ~はははは(笑)」なんて使ってましたが、この作品を観てからは、
簡単に言えなくなりましたね。トラウマってなんだろうって考えさせられる作品でもあります。

男性の皆さん、ぜひぜひこの作品を読んで、女性の怖さを知ってください!
でも、同時に女性の可愛さも感じてください!

と、ここまで里見先生を可愛いと言っても、実際に里美先生を彼女にするのは、勘弁かなぁ。

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2011/07/11  投稿者:ここしばらく腑抜けている男さん

『遭難、』DVD

おすすめレベル:★★★★★

不穏な時代の演劇

本谷有希子さんのDVDはこれで2本目ですが、前に見た「腑抜けども・・・」よりも、恐ろしさを感じた作品でした。
おそらく、誰もが知っていて、行ったことのある職員室がその舞台にそのままのっかっていて、
誰もが出会ったことのある教師たちが、幾人も登場するからなのでしょう。

一見、普通の、会ったことのありそうな「いい先生」が、例えば、私の恩師が、実は職員室でこんなことになっていた、
なんて、想像するだけで恐ろしいですね。しかし、恐ろしいと思いつつも、各所に小ネタがちりばめられていて、
ちょっとした所で笑ってしまう。

不思議な軽快さが本谷有希子さん作品には感じられます。そこが、ちょっとだけ救いなのかも。
今、本谷有希子という人が注目されて、チケットも入手困難になっているほどの人気になっているのが分かる気がしました。
こんな時代だから、こういう演劇が求められているんでしょうね。

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2011/07/11  投稿者:松永さん万歳☆さん

『遭難、』DVD

おすすめレベル:★★★★★

脱帽!

こんなにも「自分が自分が!」という女性をコミカルに描いてしまう本谷さんに脱帽です。
すっっごく面白かった!!本谷作品は好きで欠かさず観ていますが、これは傑作だと思います。
主人公の里見先生は自分を守ることにかけては、とにかく頭が回る。
自分を正当化する言い訳がスゴイ。そしてなぜかその勝手な理屈は成立しているように見えてしまう。
そんな嫌なやつをなぜか憎めない感じに仕立ててしまった松永玲子さんにも脱帽です。

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