舞台は「エリートが書いたもんをヤクザが売る」とからかわれる、とある町の新聞販売所。
慎太郎の留守中に、彼の愛人を名乗る得体の知れない女・明里（永作博美）が突然現れる。もともと慎太郎（梶原善）の女癖の悪さは病的とも言えたため、妻（広岡由里子）と子供たち（近藤公園、前田亜季）はその話を信じ込んでしまう。

が、家族は一丸となって明里の存在を無かったことにしようとする。嫉妬でおかしくなったように家に上がりこもうとする明里を、妻と息子と娘は協力して阻止。明里は道に放り出されるが、住み込みバイト・えいみ（吉本菜穂子）の手引きによって、なぜか敷地内のプレハブ小屋に密かにかくまわれることに。こうして､誰にも予想できない復讐劇の幕は上がった・・・。

演劇界と文学界、双方から新時代の担い手と注目を集める若き才能・本谷有希子の意欲作である本作は、「明るい人格障害」をテーマに、理由なく周りを不幸に陥れる理不尽な主人公を永作博美が演じることで大いに話題になりました。そんな本谷ワールド炸裂の本作は、「家族や社会に内蔵されている「なれあい」「こずるさ」「お体裁」などを痛快に狙い打った」と絶賛され、第53回岸田國士戯曲賞を受賞しました。

主演には、同性からも異性からも支持される抜群の好感度と、ますます磨きのかかった演技力で今最も旬である女優・永作博美。彼女が独特の感性を持つ本谷演出とタッグを組み新境地を開きました。

共演には、「大人計画」所属でプロデュース公演や映像でも活躍する近藤公園、美少女から大人の女優へと変身を遂げている前田亜季、「劇団、本谷有希子」常連の吉本菜穂子。そして、コメディからシリアスまでこなす演技派女優・広岡由里子、得がたいキャラクターで三谷幸喜作品や劇団☆新感線でも抜群の存在感を見せる梶原善、と強力な布陣が固めています。

また、ＤＶＤならではの音声特典には、本谷有希子が今一番話したかった『2人』をキャスティング！安斎肇×しりあがり寿×本谷有希子の3人が繰り出す予測不可能な副音声コメンタリーは必聴です。

●第53回(2009)岸田國士戯曲賞受賞

東京:2008年10月21日～11月9日／パルコ劇場
岡山:2008年11月19日／倉敷市芸文館ホール
大阪:2008年11月21日～11月22日／シアター・ドラマシティ

DISC:　片面2層 1枚
本編:　118min
音声:　ステレオ
サイズ:　16:9｜LB
リージョン:　ALL
発売元:　ヴィレッヂ(C)2009　PARCO