場面の情景、物語の背景、登場人物全員の台詞など、全てを一人で語り分ける「太夫」と、太夫の語りと一体となり、音一つの内に背景や心情などを描き出す「三味線」、一体の人形を三人の人形遣いで操る人形が一体となって演じる人形浄瑠璃文楽は、歌舞伎と共に江戸時代から人々に親しまれてきました。
様々な演目の中でも誰でも一度は耳にしたことがあるだろう「曽根崎心中」スピンオフ作品として、三谷幸喜が書き下ろし、演出にも挑戦した本作品。
「決闘!高田馬場」で、普段の歌舞伎ではみられない鳴り物なども取り入れ、笑いあり人情あり涙ありの三谷ワールドを繰り広げた三谷氏が、今回も文楽という新境地で三谷喜劇を魅せてくれます。
ブルーレイでは、三谷さんの文楽ガイドなどの特典映像も楽しむことができます。
もはや新たなジャンルと言ってもよい「三谷文楽」をブルーレイでご堪能ください。
※本作は「Blu-ray(ブルーレイ)版」です。再生には「Blu-ray(ブルーレイ)対応プレーヤー」が必要です。
従来のDVD版は、「三谷文楽『其礼成心中』(DVD)」のページをご覧下さい。
元禄十六年四月七日、大坂の曽根崎天神の森で醤油屋の手代徳兵衛と北新地の遊女屋天満屋のお抱え女であるお初が心中死を遂げた。
この心中事件を題材に近松門左衛門が書いた『曽根崎心中』が大ヒット。
その後、この天神の森は第二、第三のお初と徳兵衛と言わんばかりに心中のメッカとなっていた。
その天神の森の近所にある饅頭屋。夫婦が営むこの饅頭屋だが、自分の家の目と鼻の先で心中を繰り返され、店から客は縁起が悪いと遠のき、饅頭屋は傾きかけていた。
ある夜、毎度のように若い男女が天神の森で心中をしようとしていた。
これ以上心中が出ないよう見回りをしていた饅頭屋の親父は、とにかく自分の家の近所で心中を繰り返されるのが嫌な一心で、この男女に「ここで死ぬな」と説得する。
自分の饅頭屋まで連れてくると、女房と共に思い至った二人に死ぬことを思いとどまらせ、あげくの果てには腹が空いている二人に饅頭を食わせてやった。
この事件をきっかけに、ちょっとした親父の思いつきから突如饅頭屋が流行りだす。だがそれも、長くは続かなかった―――。
舞台は元禄十六年の大坂。
心中流行の曾根崎・天神の森を舞台に繰り広げられる、
三谷幸喜の笑いと涙に溢れた人情喜劇。
2012年夏に上演された三谷文楽『其礼成心中』が
Blu-ray(ブルーレイ)で登場!