今、圧倒的な人気で注目を集める劇団☆新感線。
スケールの大きな世界観、ケレン味の効いた演出、ハードロックやヘヴィメタル調の曲を大音量で使用し、ライブコンサートにも負けない派手な照明を駆使、笑いや活劇の要素をふんだんに盛り込んだ圧倒的な迫力に加え、各界で活躍する豪華キャストが続々と参加し、次々に新たなファンを生み出しています。
その中でも座付き作家・中島かずき氏が描く歴史や神話をモチーフとした作品群は、主宰&演出家の、いのうえひでのり氏の名前を取って“いのうえ歌舞伎”と呼ばれ、新感線の演目の中でも人気のシリーズとなっています。
2005年上演のいのうえ歌舞伎『吉原御免状』は、新感線作品の魅力の一つである《笑い》の要素をほとんど排除、あくまで原作に忠実に舞台化することで新境地を開拓。
“いのうえ歌舞伎”はこの作品以降、よりいっそう人間ドラマを重視する方向へと向かい、中島氏以外の作家も加わることでその多様性が増し、<第二章>ともいうべき段階へと移り、さらに人気を高めていくことなります。
『吉原御免状』DVD
劇団☆新感線旗揚げ25周年の節目となる2005年上演。
原作は隆 慶一郎による傑作時代小説。
これまでの新感線の作風とは一変、笑いの要素を極力削り、原作の持つ美しさ、儚さ、そしてそこに描かれる人間の業を、見事に舞台上に昇華し話題に。
この作品以降“いのうえ歌舞伎”は深い人間ドラマを描く第二章へと進化していくことになります。
『朧の森に棲む鬼』DVD
新感線が松竹と組んだ《InouekabukiShochiku-Mix》の第5作目。
本作の魅力は何と言っても主演の市川染五郎が魅せる究極の《悪》。
背筋がゾクゾクするほど悪く強く美しくそして哀しい男の話です。
『IZO』DVD
劇団グリングの主宰&劇作家・演出家として注目を集める青木豪が脚本として参加。今や演技派俳優として高い評価を受けるV6の森田剛が新感線に参戦!
幕末、名だたる維新志士の中にあり人斬り以蔵と恐れられ、そして蔑まれた男の姿を、孤独でとても人間臭くそして情熱的に描いた本作は、深い感動を呼ぶ人間ドラマの傑作となりました。
『蜉蝣峠』DVD
クドカンこと宮藤官九郎が作家として参戦。
いのうえ歌舞伎をぶっ壊す!という意味で壊<PUNK(パンク)>と名付けられた本作は、他に類を見ない、型破りで新たな可能性を感じさせる作品です。
『蛮幽鬼』DVD
デュマの「モンテ・クリスト伯」をモチーフに、信じる者・愛する者の裏切りで10年の長きに渡り幽閉されていた男の復讐を描いた傑作復讐譚。
「シレンとラギ」にも繋がる暗殺一族“狼蘭”が初登場する。