イーオシバイドットコム/書籍『演劇プロデューサーという仕事』発売記念 細川展裕インタビュー

書籍『演劇プロデューサーという仕事』発売記念 細川展裕インタビュー

細川本
※amazon:Kindle版(電子書籍)

[書籍]
『演劇プロデューサーという仕事 「第三舞台」
「劇団☆新感線」はなぜヒットしたのか』
著者:細川展裕 
1,400円+税/四六判/ 304ページ/小学館
2018年10月25日発売 

2018年10月25日(木)に、『演劇プロデューサーという仕事
「第三舞台」「劇団☆新感線」はなぜヒットしたのか』
という本が発売されます。

レコード会社の会社員から第三舞台のプロデューサー、
そして現在は劇団☆新感線のエグゼクティブ・プロデューサーに
なった細川展裕の初の自叙伝です。

細川氏は、イーオシバイを運営する、
株式会社ヴィレッヂの会長でもあります。

そこで今回、イーオシバイの店長が、著者の細川氏を捕まえて、
その内容をちょっとだけ教えてもらうことにしました。
果たして、気になる本の中身は!?
脱線を繰り返す裏話満載のインタビュー!
前後編でお届けします!



※インタビュー:2018年10月某日
※聞いた人……イーオシバイドットコム店長 糸永伸

前編

――

『五右衛門ロック』でついに動員10万人を超えた新感線ですが、
動員を増やしていくことは常に頭にあったんでしょうか。
また、これからもそれは考えてますか?

細川

動員が10万人になった段階で、
それが限度だとは思ってたんだよ。
なんせ、芝居は生ものなんでね。

1年、2年のロングランという話は無くはないけど、
自分達がやりたい事を考えた時に思ったのが、
「新鮮な気持ちで、1本1本やって行きたい」って事。
そう考えると、まあ人間なんだから
どんなに頑張ったって1回の公演で上演できる回数は、
70回とか80回公演が限度だろうと。
で、劇場のキャパを考えれば10万人が限界かなと。

――

その後の『ZIPANG PUNK~五右衛門ロックIII』(12年)が
約13万人ほど動員しましたが。


『ZIPANG PUNK~五右衛門ロックIII』

細川

それは単純に(東京の)公演会場だった
シアターオーブが大きかったからというだけの話。

公演回数としてはどうしても、
70~80回がMAXかなと思った時に、
これから30万人にするぞ!とかは無いなと思った。

――

本書の第四章では「未踏の70万人興行へ」とあります。
そういう意味では一気に7倍ですが(笑)


『髑髏城の七人』
花鳥風月極
公演パンフ&戯曲他
関連DVD・グッズ一覧

細川

昨年から今年にかけて
豊洲(IHIステージアラウンド東京)で上演した
『髑髏城の七人』Season花鳥風月極や、
今上演している『メタルマクベス』disc1、2、3みたいに、
同じタイトルだけど企画を変えてトータルで70万人……
というのは、もちろんありますよ。

でも1本の演目で、同じキャストで続けるのは無いし、
キャストをダブル、トリプルにしてというのも難しい。
だって、いのうえさんは役者変えたら
結局は演出変わっちゃうから、
それは無理なんだよね(笑)。

なおかつ、私は海外公演に興味はないので、
それを海外に持っていってどうのとか全く思わないし。

――

全く思わないんですね(笑)
あちこちから「新感線は海外公演しないんですか?」という疑問を
時々耳にしていましたが、衝撃の事実がここに(笑)


◎公演の危機で見える劇団と役者の底力


――

新感線時代に入って、色々なトラブルもありました。
2010年の『鋼鉄番長』の公演中止のことも
詳しく書かれていて驚きでした。良く書かれましたね。

細川

やっぱりあったことは事実として書かないとね。
お客さんにもご迷惑をおかけしたわけだし。

でも『鋼鉄番長』に関しては、
実は本には書けないことも結構あったんだけど(笑)。

――

怪我で降板された橋本じゅんさんの代わりに
舞台に立った三宅弘城さんはもちろんですが、
あの時の現場のスタッフワークは
本当に見事だったと思います。

細川

本当にみんな頑張ってくれた。
普通のプロデュース公演なら空中分解していたかもね。
「主役がいないだから終わりでしょ!」て話になっていても
おかしくなかった。
劇団というか、カンパニーの底力を感じたね。

――

三宅さんに合わせて衣裳や小道具はもちろん、
ポスターや公式サイトまで作り直しました。
公演再開のときには、ロビーに「再起動!」と大きく書かれた
ポスターが貼られていたのを覚えています。

細川

あの時、大きな力になったのが、デザインの力。
「俺が二号だ!」という新ビジュアルが出来てきたのを見た時に、
お客さんに対してはもちろん、スタッフやキャストに向けても、
マイナスじゃない、 「そうだこれに向かって頑張るんだ」
「二号を起動しなきゃ」 ていう空気が生まれた。

こんな仕事していて今更言うのもなんだけど、
ほんとにデザインの力って大きいなと思ったよ。


『髑髏城の七人』(2011)

――

それからこれは、
詳しくは本書を読んで欲しいのですが、
2011年の『髑髏城の七人』(通称『ワカドクロ』)の
小栗旬さんの話も衝撃でした。

細川

そうだね、詳細は本に譲るけど……。
まあ役者の気持ち、という部分に関して。

ほんとに「無意識」っていう力の大きさは
強いなと痛感した出来事だったね。

実は私も、昔はほんとに飛行機乗るのイヤッだった。
だけど、おふくろが死んだ瞬間にまったく怖くなくなって、
自分でびっくりした。
それも無意識の力なんだよね。
考えてもみなかった。
自分は単に飛行機が怖い人なんだと思ってから。

――

そういえば、細川さんは、
昔は飛行機に乗るのが怖いから
乗ったらすぐにお酒を飲んで寝てしまう、
っておっしゃってましたね(笑)

細川

別に「今は死んでも良い」と思ってるわけじゃなくて、
あの時は「絶対に死ねない」と思ってたんだろうね。
いま、松山-東京間をばかみたいに飛行機乗ってるし、
昔なら考えられないな。

――

小栗さんに起きたことも、
その「無意識」が原因だったんでしょうか。

細川

『ワカドクロ』の時の旬も、
本人が考えている事とか全然関係のないところで、
何かが停滞しちゃったんだろうな。

でも逆にいうと、解決も、なんだかわからないけど、
少しずつ何かが開放されていったんだと思うんだよ。
だから結果的には最後までやりきれた。

――

舞台を観てる側からは、
「何かがあった」ことなんて、全然わかりませんでした。

細川

普通に考えたら1300人の前に立つ、ということ自体、
どうかしてる事だから。
よっぽど自信を持って舞台の上に「ぽんっ」と行けないとさ。

例えばかつらや衣裳、小道具なんかも含めて全部の話で、
役者本人がちょっとでも
「これってどうなんだろう」なんて思ってたら、
ステージになんか立てないよ。

逆にそれさえ乗り切れれば舞台に立てる。
そこが役者の力だよね。

――

ええと、あんまりここで聞いてしまうと、
本書の細かいところまで語ってしまうので、このへんで。
読んでいる人、気になるでしょう?
本で確認してみてくださいね(笑)。

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後編3へ続く>>

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